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V2Bサービスで先行する米国スタートアップ企業FERMATA社への出資について

2019年01月15日

 当社は、本日、100%子会社のTEPCO Innovation & Investments US, Inc.(以下、TI&I社)を通じて、V2B※1サービスで先行する米国スタートアップ企業FERMATA LLC(以下、FERMATA、本社:バージニア州、取締役CEO: David Slutzky)に出資いたしました。出資額は、250万米ドル(約2億5千万円)で、国内の電力会社として初めて、V2Bを活用したサービスの販売を手掛けるスタートアップ企業へ投資することになります。

 当社は、人口減少、脱炭素化、電源の分散化、電力・ガス小売市場の全面自由化、デジタル化といった「5つのD」、IoTなどのデジタル技術を有する新しい事業者が連携し、社会インフラを総合的に担う次代の「Utility3.0」の具現化に向け、取り組みを進めています。中でも、世界的に普及が進むEV(電気自動車)の車載蓄電池を重要な社会資産と捉え、その蓄電池の経済的な活用に着目してきました。

 V2Bは、EVの車載蓄電池から自治体や民間企業のビルへ放電し、建物内の照明や空調など電気機器に電力を供給することで、ピーク時の需要電力を軽減します。一方、電力事業者は、ピーク時に必要とされる予備力を低減することが可能となります。

 FERMATA社は、将来性にいち早く着目し、2016年にV2Bの商用化を開始し、DCM(Demand Charge Management)※2サービスに取り組んでいます。(図1、図2ご参照)

 当社は、FERMATA社が持つV2Bにおける知見、ノウハウや技術と、東京電力グループが保有する系統における知見を融合し、2020年代には新たな付加価値サービスを欧米、アジア主要都市に向けて展開できるよう、V2Bを利用したDCMサービスの構築を目指してまいります。

以 上

※1    Vehicle to Building: EV車載蓄電池と双方向充電器を使用してビル内へ放電する仕組み
※2    Demand Charge Management: デマンド料金に関して、ビルの電力負荷を監視・管理するサービス

<図1 DCMサービスの仕組み>

<図2 DCMサービスのイメージ図>
      
【小型双方向充電器とEV】   【DCMサービスのイメージ図】

<参考情報>
1. TEPCO Innovation & Investments US, Inc. 概要
・本社所在地: 米国 デラウェア州
・設 立: 2017年
・事業内容: 米国での新規事業創出及び投資、当該新規事業の事業運営管理
・代表者: 代表取締役社長 川嶋 啓靖

2. FERMATA LLC 概要
・本社所在地: 米国 バージニア州
・設 立: 2013年
・事業内容: 米国における自治体や民間企業向けV2B/V2Gサービスの展開
・代表者:取締役CEO David Slutzky FERMATA社の詳しい情報については、www.fermataenergy.comをご参照ください。